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菅理栄養士おすすめ痩せ体質のつくり方③:カギは「朝食」にあり!その理由とは…⁉

痩せるためには「何を」「どれだけ」食べるかだけが重要ではありません。単に摂取カロリーをコントロールするだけでなく、「いつ」食べるかも重要なのです。それは”体内時計”が関係しているからなのですが、本日は痩せ体質をつくるために、なぜ「朝食」が重要なのかを科学的根拠に基いて紹介します。

 

 

体内時計とは…!?

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私たち人間はもちろんのことすべての動植物は、地球の自転による24時間周期の昼夜の変化に合わせて、体内環境を積極的に変化させる機能を持っています。この約24時間周期のリズムを「概日リズム」といいます。ホルモン分泌もこのリズムにより調整されており、例えば夕方になるとメラトニンというホルモンが分泌されます。それによって私たちは夜に「眠気」が誘発されるわけです。概日リズムにより体脂肪をため込みやすい時間帯もあります。このように、私たちのあらゆる生理現象が、概日リズムによってコントロールされています。

そのコントロールする時計機構がいわゆる『体内時計』です。『体内時計』は2017年のノーベル生理学・医学賞を受賞している近年で研究が進んでいる分野であり、体内時計の乱れは、病気や肥満の出現に関与していると言われています。

それではさっそく、「朝食によってなぜ痩せ体質をつくれるのか」理由を紹介していきます。

 

 

朝食で痩せ体質がつくれる理由

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理由①:体内時計はリセットする必要がある

体内時計の周期は25時間ほどで、地球の1日24時間周期よりも少し長いことが明らかになっています。そのため、地球の24時間リズムに合わせて1時間分を早めて、体内時計をリセットして1日を出発したいわけです。上手にリセットすることが痩せ体質をつくるポイントになってきます。

(海外旅行にいくと時差ボケが起こることがあります。「体内時計をリセットできない=時差ボケが続きカラダの機能を十分に発揮できない」というイメージです。)

 

体内時計はカラダのあらゆるところに存在しています。機能の主役は脳ですが、準主役は内臓や筋肉などにある末梢時計です。この準主役は、ズバリ”朝食”でリセットできます。

私は海外旅行が大好きでコロナ前は年に1回以上は海外に行っていましたが、とにかく乗り物が苦手です。飛行機酔い+時差ボケで現地に着いた瞬間は内臓がふわっとして不調な状態です。しかし、ごはんを食べるといつも元気になり、しっかり旅行を楽しめることから、私はこの現象を「食べて内臓をリセット」と格言のように言っていました。体内時計について勉強するようになり、「食べることでカラダの不調が治っていたのは、まさに体内時計リセットのメカニズムだったんだ!」ということが分かりすっきりしたことがあります。カラダの元気は自分の行動次第でつくれるということの実証でもあります!(^^)!

 

時間がなくても、朝食をとる習慣がなくても、何はともあれ、”朝食は絶対にとった方がよい”わけです。習慣がなかった方は、まずは、牛乳・豆乳・ヨーグルト・バナナなど手軽なものからはじめてみてはいかがでしょうか。

 

理由②:朝食により効率よく体温が上がる

体温が高いと免疫力が上がるなど、体温と健康は何かと結びついています。ちなみに、体温が1度上昇すると、代謝量は13%上昇するといわれています。つまり、痩せ体質をつくるためには、効率よく体温を上げたいわけです。

食事を食べた後、汗をかいたりカラダが熱くなった経験はありませんか?単に、辛い物を食べた時だけ熱くなって汗をかくわけではなく、私たちは誰でも食事をとれば体温が上昇します。

食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。そのため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。この代謝の増加を「食事誘発性熱産生」といいます。食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。
ここでも体内時計が関わっており、朝食後の熱産生率が一日の中で最も高いのに対して、夕食後は低いといった食事誘導熱産生率の概日リズムがあることが明らかにされています。

朝食摂取と欠食の体温上昇を比較した分かりやすいグラフがあったので引用します。

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朝から体温が上がれば、朝の時点(一時)だけでなく、1日中体温が高い状態が続くため、痩せ体質づくりには朝食はかかせません。


痩せ体質をつくるための効率的な朝ごはん

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ポイント①:たんぱく質に注目する

食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なります。たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質(炭水化物)のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。つまり、たんぱく質をしっかりとることが、代謝を効率よく上げるポイントです。

例えば、同じカロリーの2パターンの食事があったとします。

①食パン+バター → 糖質+脂質中心

②ごはん+鮭 → 糖質+たんぱく質中心

こちらの2つは摂取カロリーは同じでも、②の食事ではたんぱく質が多いことから熱産生率が高く、その後の消費カロリーが①よりも大きくなります。朝食は毎日のことですから、消費カロリーが大きい日が1日1日積み重なるとことで痩せ体質に近づきます

たんぱく質は、肉・魚・大豆・乳製品などに多く含まれています。

たんぱく質がとれるおすすめおかず-和食編-】

・魚料理(焼き魚、缶詰など)

・肉料理(生姜焼き、前日夜の残りなど)

・鮭フレーク

・納豆

・卵(卵がけごはんは火をつかわないためお手軽◎)

※食事にプラスして牛乳、豆乳、ヨーグルトなども◎

 

たんぱく質がとれるおすすめおかず-洋食編-】

・魚料理(ムニエルなど)

・肉料理(鶏ソテーなど)

・ツナ缶(サラダやパンにのせて)

・ゆで大豆(サラダにのせて)

・卵料理(目玉焼きやゆで卵など)

・チーズ(トーストにのせて)

 

私は食パンにバターとジャムをつけて食べるのが大好きで、食パンの耳にまでしっかりバターをつけて食べるほどです。しかしパンだと腹持ちが悪いため、ごはんを茶碗1/3量とおかずをしっかり食べた後に、食パンを2枚食べていくことが定番の朝食になっています。パンで脂質を多くとるため、おかずは和食にして脂質をおさえます。早起きして朝食に40分はかけており、朝食に命かけてます!こちらは実際の私の朝食です。この写真の後にパン2枚を食べていきます。

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ポイント②:よく噛むこと 

食事の摂り方としてよく噛まずに飲み込んだり、流動食だけを摂る場合に比べると、よく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなるといわれています。よく”1口30回噛む”と良い言われますが、回数にこだわる必要はありません。今より「5口でも多く噛む」など気軽にできる範囲で挑戦してみてください。

 

 

体内時計をリセットするためにやるべきもう1つのこと

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体の中には、色々な時計が潜んでいます。内臓の時計は準主役であり、1日のリズムを作る主役は脳の中心部にある中枢時計です。この主役は、ズバリ”光”でリセットできます。つまり朝日を浴びることが重要です。朝起きたらまず一番にカーテンを開けましょう。深夜勤務の方や曇りの日でも大丈夫です。こちらは電気の光でも大丈夫ですので、外が暗い場合は部屋の電気を煌煌と光らせましょう✨

 

まとめ

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痩せ体質をつくるためには体内時計を整える

 ①起きたら光を浴びる

 ②朝食をとる

  ・たんぱく質をしっかりとる

  ・よく噛んで食べる

 

痩せ体質をつくるためのその他の食事術も紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

 

coco10101.hatenablog.com

 

朝食を気持ちよく食べるためには、その前日の夜に「何を」「どれくらい」「いつ」食べるかが大きく関わります。次回は夜ごはんについて紹介します。最後までご覧いただきありがとうございました。