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コラーゲンの経口摂取は肌に効果がない!?

本記事は、コラーゲンの経口摂取とお肌の関係について紹介します。主に厚生労働省など公的機関の情報を引用しています。

 

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コラーゲンは皮膚・血管・じん体・軟骨などの組織を構成するたんぱく質です。人間の体内に存在するすべてのたんぱく質の約30%を占めており、そのうちの40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存在しています。


そして、今回の問題提起はここから!

公的機関から出されている情報では、下記のように言われていることです。

 

コラーゲンを摂取したときの、お肌や関節の機能に対する効果を調べたところ、一部の研究で皮膚の弾力の改善や、ひざの伸びの改善が認められましたが、皮膚の水分量やシミ、シワ、ひざなどの痛みや違和感への効果は認められていませんでした。


このように言われている理由のうち、2項目についてチェックしていきます。


【コラーゲンと肌の関係を紐解くための2項目】

①体内に入ったコラーゲンの動きをチェック「消化吸収、再合成の機序」について

②世に出ている論文をチェック


①体内に入ったコラーゲンの動きをチェック

「消化吸収、再合成の機序」とは⁉︎


ずばり、コラーゲンは食べたとしても、体の中でコラーゲンとして働くとは限りません。それは、たんぱく質の消化吸収と再合成の機序が関連しています。

たんぱく質は複数個のアミノ酸が連なり形成されています。20種類あるアミノ酸がどのような配列をなすかで、たんぱく質の種類が決まります。

口から入ったコラーゲンなどのたんぱく質は、消化の段階でアミノ酸やペプチド(アミノ酸が2個以上連なったもの)まで分解され、吸収後にたんぱく質として再合成されます。しかし、吸収されたコラーゲン由来のアミノ酸やペプチドは、再合成されることなく使われることもあれば、違う配列で再合成される場合もあり、体内で再びコラーゲンになるとは限りません。さらにコラーゲンに再合成されたとしても、期待される肌ではなく他の組織で使われる可能性も大いにあります。

これらのことから分かるように、「コラーゲンの経口摂取=ダイレクトにお肌」とはいかないようです。


②論文チェック

各種論文にはどう書かれているのかチェックしていきます。

コラーゲンの経口摂取について、メーカーをはじめ数多くのところで研究がなされています。本記事では、人を対象とした研究(人がコラーゲンを経口摂取する研究)の論文を6つ紹介します。各研究の結果をとてもとても簡単に示します。


・論文1

シワの改善が認められる傾向にあった。

 

・論文2

豚コラーゲンは効果がなかったが、魚コラーゲンの摂取で肌が良くなった傾向にあった。

※その他、メーカーからの情報では、魚でも肉でもコラーゲンの成分として差はないとうたっているものもあります。

 

・論文3

コラーゲンペプチドを経口摂取することで、 身体内に様々な作用を発揮する可能性が期待できる。

 

・論文4

「コラーゲンの経口摂取により肌が良くなった」と回答する者が多かった。

 

・論文5

経口で摂取したコラーゲンが皮膚に対して何らかの有効な作用を示すかについては明らかでない。


・論文6

関節には効果が認められたが、肌においては変化がなかった。

 

このように、まちまちの結果でした。※紹介した論文論文結果はあくまでも、論文を発表した機関での結果であって、断定できる事実とは異なります。

それでも、2021年現在、機能性表示食品としてコラーゲン製品が販売されています。機能性表示食品は、「メーカーの責任のもと」で効果の根拠となるデータを調べ、製品化されたものです。あくまでもメーカー独自の研究結果で良いとされていますが、効果のほどは個人差があり、今後、機序の解明やエビデンスが明確になることが期待される段階だということです。

 

【結論】

コラーゲン経口摂取の肌への影響は個人差があるということです。

逆に言えば、試してみて「自分にぴったり」の人もいるかもしれません!メーカーから出されている適切な用法容量を守った上で、数ヶ月間コラーゲンの経口摂取を試してみても良いかもしれません。その時はぜひ、摂取前との違いがわかるように、ご自身で肌の調子を意識して確認してください。

 

また現在では、コラーゲンをサプリメントや食品などで補うことの他、コラーゲンを新たに生み出す力(真皮層の細胞や血管などについて)にも注目が集まっているようです。例えば美容皮膚科等で受けられるフォトなどの施術です。筆者もフォト経験者です。ご自分に合った美容法が見つかるように、色々と調べてみることは良さそうですね!

 

そして、いずれにしても美容に最も大切なのは土台となる食事です。

 

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コラーゲンを多く含む食品としては、ゼラチンのほか鶏の手羽・牛すじ・鶏皮などがありますが、食物から必要なたんぱく質が摂れていれば、コラーゲンが特に不足することは通常ないとされています(※コラーゲンとしての1日の必要量は算出されていません)。まずは、たんぱく質(主菜)を毎食で摂ることが重要です。

また、コラーゲンの合成にはビタミンCやビダミンAが不可欠です。

コラーゲン単体だけに目を向けず、健康美容の第一歩として、まずはバランスの良い食事を心がけてみてください

 

 

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